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(JP Only) Digital Transformation in Back Office – F&A① “Background to the Need for DX and How to Deal with It”
内閣府が日本の目指すべき未来の姿として発表した『Society(ソサエティ)5.0』の中でも、幹の部分となるのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
日本社会でもバックオフィスでのDX活用の必要性を感じつつあります。Sansan株式会社の『企業のデジタルトランスフォーメーションに関する実態調査2019年度版』によれば、DXに取り組み中の企業、将来的に計画している企業の63.5%が「バックオフィス系システム」をDX推進に活用、検討していることがわかりました。一方で日本CFO協会によれば、「経理財務プロセスがデジタル化・自動化されている」の質問に対し、「0~25%の業務のみ」と回答した企業が半数以上という結果でした。
つまりバックオフィスの現状は「DXを推進したいが、現実問題として進んでいない」と言えるでしょう。そこで本記事では、バックオフィス業務のひとつである経理に焦点を当て、経理業務においてDX化が求められる背景から、DX化のステップとポイントを解説していきます。
目次
経理業務における従来の問題点(DX化が求められる背景)
経理業務においてDX化が求められる背景には、大きく下記の2つが挙げられます。
①紙の資料やファイルが多い
経理業務は他業務と比較しても紙の資料やファイルが多いことが特徴です。
そのため経理業務そのものがデジタルではなく、アナログの対応になっているのが大きな問題点であると言えるでしょう。
- 書類に押印されたハンコの確認
- 証憑などの原本を紙での管理
- 決算期における必要なデータの抽出
上記のように経理業務の多くがアナログ対応となっているため、業務効率化が進んでいないのが現状です。また、経理業務の多くが「アナログ対応であるため、社員が出社しなければ対応できない」という問題点も抱えています。
こうした現状を示すように、MF KESSAI株式会社が2020年4月に発表した『新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発令後の企業のテレワーク状況に関する調査結果』によると、「全くテレワークを実施できていない」という回答が50%を上回り、ほとんどの経理に携わる社員が出社を余儀無くされています。また、出社が必要な理由としては、「決算対応」「取引先への振り込み」「請求書の作成および発送」など紙の業務が多く、アナログでの対応が求められているのが原因です。
未曾有の中でも出社しなければ対応できないほど、紙の資料などによるアナログ対応が多いことがDX化が求められる理由のひとつと言えるでしょう。
②定型業務が多い
経理業務のもうひとつの特徴は定型業務が多いことです。
- 紙の請求書管理
- 入出金管理
- 紙の経費精算管理
上記のような業務は定型業務の代表例です。
定型業務は作業内容がマニュアル、手順化されており誰が行なっても同じような仕事が行えるのがメリットです。しかし、経理における定型業務の問題点は、業務量が多く人手不足であるという点になります。業務量が多ければミスが起こる確率も高まります。
経理業務は決してミスが許されない職種です。なぜなら、ミスをしてしまうと取引先の信用を失ってしまうなど、会社の信頼性や評価に直結してしまうからです。そのため、DX推進による業務自動化を通じ、ミスをなくし、社員の業務負担を減らすことが求められています。
問題に対処する解決策
先述した経理業務における問題に対処する解決策は下記の2点が挙げられます。
①経理業務の内容を洗い出す
まずは自社の経理業務の内容を隅々まで洗い出すことが必要です。
単純ですが「どんな業務に、何人の人員が割かれ、工数はどれくらいかかっているか」を洗い出すことで、ムダな業務や、人員を割きすぎているため他の業務を圧迫している業務などを発見することができます。さらに、業務内容が明確化されれば、DXのシステムを導入する際に、特にどの部分がシステムによって効率化されるべきなのかを判断することができます。
こうした、経理業務の”見える化”が問題点の解決につながるので、業務の内容を洗い出す作業は必須であると言えます。
②経理システムの導入
経理システムを導入することも、業務の問題点を解決することにつながるでしょう。なぜなら、経理業務の自動化による社員の負担軽減が期待できることに加え、社員の不正防止などにもつながるためです。実際に、仕訳を入力すると損益計算書や貸借対照表が自動作成される機能などにより、入力ミスや計算ミスを未然に防ぐことができます。
経理業務は他業務と比較しても定型業務が多いため、業務の自動化に向いていると言えます。
経理業務のDX化におけるステップとポイント
ここからは経理業務のDX化におけるステップとポイントを解説します。
経理業務におけるDX化のステップは下記の通りです。
①業務のペーパーレス化
繰り返しになりますが、経理業務には多くの紙の業務が発生します。
そのため業務のペーパーレス化からはじめることが最初のステップです。経費精算や入金処理、決算資料の作成など紙が発生する業務をシステム上で完結できるようにします。
ペーパーレス化する際のポイントはシステム化を行うことですが、さらに大事なのはひとつの大きなシステムを導入するのではなく、経理の業務フローに合わせてシステムを個別に導入することです。売上管理、購買管理、入金確認、経費精算などの業務を細分化させ、紙でのやり取りではなくデータとしてのやり取りを増やしていきます。特に経費精算などは、クラウドでの処理が盛んに行われるようになってきたので、低コストでの導入が可能な事例も増えています。
まずは現在の業務のペーパレス化を行うことに注力するといいでしょう。
②システム連携
続いて行うのがシステム連携です。
システム連携を行う理由は、紙がなくなっただけでは業務負担は減らないためです。また、業務で扱うものが紙からデータに変わっているだけで自動化されていないことも理由になります。そのため、データ連携をシステム上で自動化させることが大事になります。自動化させることで初めて業務負担が軽減されるのです。
システム連携を行う際のポイントは「人の手」が入らないようにすることです。
なぜなら、人の手が入る余地が生まれてしまうと不正やミスなどが起こりうるからです。そのため、人の手が入らないシステム連携を行いましょう。
まとめ
DXの波もあり、バックオフィス業務は今後さらにデジタル化が進んでいくでしょう。
現在はバックオフィスの業務が変わる分岐点にいると言えます。携帯電話を持つのが当たり前になったように、バックオフィスの業務でも自動化が当たり前になるでしょう。
従来の業務に固執するのではなく、柔軟にDXを取り入れていくのが大事になります。現在でもバックオフィスにDXを導入した企業は多くあります。事例を参考にすればよりスムーズにDXの導入が進むでしょう。
次回は、経理業務におけるDX導入事例についてご紹介したいと思います。
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