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(JP Only) Digital Transformation in Back Office – HR Tech④ “HR Tech for Personnel Labor Management”
バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)動向について考える本シリーズ、第4回となる今回は人事労務手続きにおけるDX動向について、その必要性やテクノロジー活用におけるポイントなどを探っていきたいと思います。
入退社手続きの課題
人事部における人事労務業務の中でも、最も手間も時間もかかると言われているのが、新入社員の入社手続きと退社していく社員の退社手続きです。入社手続きとしては、社員から年金手帳や住民票記載事項証明書、雇用保険被保険者証、マイナンバーなど様々な情報を提出してもらい、様々な書類を作成することから始まります。その書類を元に社会保険や雇用保険の加入手続きを行うことになります。社会保険は年金事務所に郵送もしくは窓口に直接行って提出する必要があり、雇用保険についても窓口に行くことが必要です。しかも各窓口でかなりの時間待たされることになり、非常に非効率な仕事となっています。
さらに保険証やマイナンバーなど非常にセンシティブな個人情報をやり取りする必要があるため、セキュリティ上の懸念や情報の回収漏れなど他にも様々な問題が存在しています。
つまり非効率とセンシティブな情報を扱うがゆえのセキュリティという2つの課題が人事労務には存在しています。このような問題をHRテクノロジーを活用することで、劇的に変革することが可能であり、そのためこの分野におけるDXは大きな注目を集めています。
クラウド型人事労務ソフトのメリット
上記のような課題を克服するために、クラウド型の人事労務ソフトを導入することで驚くほどセキュアかつ簡単に手続きを終えることができるということがHRテクノロジーを活用する最大のメリットです。
まず業務効率化について見てみましょう。
クラウド型人事労務ソフトは非常にUI(ユーザーインターフェイス)が洗練されており、直感的に操作することが可能となっています。また社員情報を集積した「社員マスタDB」を内部に持っており、社員の入退社など労務手続きが必要な場合は、UIを通じてその手続を行うことでマスタDBに反映することができます。さらに人事労務ソフトは行政手続きと電子申請システムを介して連携しているため、非常に直感的かつ短時間で作業を終えることができるようになっています。
例えば、従来は社員から直接渡されていたセンシティブな情報をクラウド経由でセキュアに入手することができます。その情報をもとに「入社手続き」を行い、いくつかの項目に入力するだけで、自動的に申請書類が完成します。その後、電子申請システムと連携し必要な機関に申請を簡単に行えます。
さらにクラウド型人事労務ソフトの社員マスタDBを外部の必要な社労士や税理士と共有すれば、社労士や税理士がログインし必要な情報を記載したり、内容をチェックしたりといった形で外部との連携作業も効率的に行うことができます。
もう一つの課題、セキュリティに関しては、人事労務手続きに必須となるマイナンバーを考えたいと思います。非常にセンシティブな情報であるため、取り扱いには細心の注意が必要です。政府はマイナンバー法に基づくガイドラインを定め、例えば、マイナンバーを保管する装置・媒体の厳格な管理や、当該情報にアクセスできる担当者の厳格な制限など
非常に厳格な運用を求めています。
しかしこれらをすべて自社で賄おうとすると外部からのアクセス遮断や情報漏えいを防ぐシステムを多額の費用をかけて準備する必要がでてきます。
これに対してクラウド型のマイナンバー管理ソフトであれば、高いセキュリティでの管理を低コストで実現することが可能です。データは非常に安全なところに保管され、人事労務手続きで必要なときだけ、呼び出して活用することができます。
クラウド型人事労務ソフトの活用ポイント
このDXの連載2回目でも述べたように、テクノロジーひいてはDXの活用にはSmall Start, Fail First(スモールスタート、フェイルファースト)が重要です。それは人事労務ソフトの活用においても変わりません。
新しいテクノロジーを導入する際には、そのテクノロジーでどのようなことができるのかを十分に理解することがまず必要です。さらに、クラウド型人事労務ソフトなど新しいテクノロジーは導入してみないとわからないことが数多くあります。そのため、成功を前提に考えずまずは小さく始めて、成果が出ない場合でもなぜ失敗したのか、その失敗をつぎにどのようにつなげていくのかということを十分に分析することが不可欠です。
テクノロジーを導入することは、大きな変革を伴います。その変革こそがDXであり、DXを推進していくことで、従来の仕事量や時間など物理的な制約が大きく変わっていきます。つまりテクノロジーにより、従来の無駄な業務や事務作業的な業務を最小化し、社員の働く環境を改善するための施策や福利厚生の充実、生産性を上げるための適材適所の人材配置などよりクリエイティブかつ戦略的な業務に時間を使うことができる環境を構築していけるでしょう。
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