BLOG
(JP Only) Case Studies of Leading DX Company with ”4 Key Success Factors” in Overseas Vol.2
前回の記事では、国内における先進的なDX事例を3つご紹介し、各インダストリーの大企業が、DXを通じてどのように自社のビジネスを変革させてきたのかを見てきました。
今回は、再び海外におけるDX事例を焦点を当てていきたいと思います。
改めてDXの成功の定義について確認したいと思います。これまでご紹介した通り、DXが成功した場合に企業が得られるものは以下の4つです。
- 顧客との関係強化
- 顧客の実際の購買行動に基づいた新しい購入への道筋の創造
- 競合優位性
- 競合優位を持つプラットフォームの構築
- データ
- データの資産化
- 革新的なサービス
- アジャイルな試行による革新の創造
今回も前回に引き続き、上記4点に当てはまるような事例をご紹介したいと思います。
【関連記事】
・DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?入門編①
・日本におけるDX先進事例
・【AI×OCRによるペーパーレス社会の到来】文字認識の基礎知識とRPAで広がるビジネスの可能性
Subway
サンドイッチチェーンとして知られるSubway(U.S)は2017年に売上が前年比4.4%減少し、50年以上の同社の歴史で初めて、2016年に新規オープンした店舗数より閉店させた店舗数が上回るという状況に陥っていました。
そこで、2017年にChief Digital Officerに就任したCarissa GanelliはSubway Fresh Forwardというイニシアチブを開始し、「できるだけ簡単にお客様がSubwayのサンドイッチを手に入れられるようにする」というテーマのもと、様々な取り組みを行いました。
その一つは、新しいカスタマーロイヤリティプログラムの導入です。MyWay Loyalty Programと呼ばれるこのプログラムは、スマートフォンのアプリケーションとして提供され、以下のような機能をもっています。
- 50ドルをSubwayで使うたびに2ドルキャッシュバック
- 店舗への来店数に応じてリワードを進呈
- ユーザーそれぞれの傾向に応じて、リワードをパーソナライゼーション
これにより、通常のロイヤリティプログラムに比べて、10倍の登録者数を得ることに成功しました。さらに、Subwayは顧客ごとに細かくサンドイッチをカスタマイズできることが特徴となっていますが、逆にいつも同じカスタマイズをする場合には、非常に煩雑になるという問題がありました。そこで、モバイルオーダーのアプリケーションを提供し、ユーザーがカスタマイズしたサンドイッチを好きな名前をつけて保存し、オーダーできるようにしました。また店舗でもデジタルキオスクを配置し、初めてのユーザーにはわかりにくいカスタマイズを直感的に行えるように変更しました。
これらの施策の結果、YouGov BrandIndexの調査によると18歳以上の男女のうち、37%もの人が次に買うファーストフードとしてSubwayをあげるまでに成功しました。
Leeds City Council
予算が限られている地方自治体にとって、大規模な改修が必要となるDXを成功させるのは難しい面がありますが、イギリスのリーズ市議会(Leeds City Council)はデータを活用することで、革新的なサービスを生み出すことができるということを証明しました。リーズ市議会はできる限りのデータをコンピューターが読み取れる形で提供し、そのデータに基づいたサービスやアプリケーションを開発者が作る事ができるプラットフォームを提供するというオープンデータ政策を行いました。
Leeds Data Millと呼ばれるこのプラットフォームにより、開発者が自由に開発し、例えば選挙の日やゴミ収集日の確認・告知をするアプリケーションなど、サービス開発の費用を行政側が負担することなく、様々なサービス・アプリケーションが生み出されました。
この成功を受け、リーズ1都市だけでなく、イングランド北部の様々な都市がこの取組に参画し、Leeds Data MillはData Mill Northとして様々なデータをパブリックに公開しています。
JetBlue
アメリカで6番目に大きな航空会社JetBlueは、顧客体験向上におけるDXにフォーカスして成功した企業です。
例えば、飛行機を乗る際には、煩わしいプロセスの1つにチェックインがあると思います。このチェックインの煩雑さを解消するために、自動チェックインサービスをDXの一環として提供しています。これはフライトの24時間前になると予約しているすべての乗客を登録し、乗客の好みに応じた席をアサインし、自動的にe-チケットを送信するというものです。
また機内Wi-Fiサービスを提供していますが、乗客に対してサービスを提供するだけでなく、乗務員向けのサービスとしても提供しており、機内Wi-FiにつながったiPadを利用して、機内のシートマップや乗客の情報を確認でき、ロイヤルカスタマーに対する対応改善やフライトの遅延による影響の報告に活かされています。
さらに前回紹介した企業と同じように、シリコンバレーにJetBlue Technology Ventures(JTV)と名付けたベンチャーファンドを設立し、協業によるシナジー効果を狙い、IoTやAIのスタートアップも積極的に投資しています。投資先にはFlyrという機械学習による需要予測とダイナミックプライシングを武器とする企業などが含まれています。
—————————————————————————————————————————————————
前々回に続いて、3つの海外のDX先進事例を見てきました。今回の事例の特徴として、各社ともに一つの視点にフォーカスしてDXを進めているという点が挙げられます。一つの点のDXを成功させることで、その他の分野にも広げやすくなるということでしょう。そして、どの事例においても、顧客との関係強化、競合優位性、データの資産化、そして革新的なサービスを実現しています。
次回も引き続き海外におけるDX事例を探っていきたいと思います。
AIを活用した文書のデータ化からDXを推進!
AI OCRを超える文書読取り&自動仕分け「SmartRead(スマートリード)」はコチラ>>